サムライ マラソン/SAMURAI MARATHON 1855

  • 2019.01.29 Tuesday
  • 11:53

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サムライ マラソン/SAMURAI MARATHON 1855

 



♯151


実に良くできた作品である。
実は、観るまではそのタイトルから軽いノリで創ったように思っていた。
案内パンフレットに、優勝者には姫との結婚でも、侍になりたいという願いなど
何でも叶えるご褒美付きとあることも、勝ち負けを競うドタバタ劇かと思った一因だった。

実感、勝手な思いは見事に裏切られた。

時は、1855年(安政2年)ペリー来航から2年目、安中藩でのこと。
藩主板倉は、開国に反対ながらも、その時に備え藩士を鍛えておくべきと考えていた。
その妙案が15里(約58km)の遠足(とおあし:マラソン)である。
ところが、板倉の動きを早合点して“謀反”と幕府に密告したスパイが藩士のなかにいたのだ。
いざ、スタート。遠足で城下は藩士不在に。
その間に江戸から拳銃を打ちまくる刺客が送り込まれてきたから城下は騒然。

走る連中はゴールを目指すも、途中で不正あり、騙しあいありの泥仕合。
その迫力は、ただならぬもの。
撮影において、雨が降り出そうともそのままカメラは長回しで、ハプニングを積極的に受け入れたという。
まさしく役者はずぶぬれ、全身泥まみれの泥仕合。

実際、足の引っぱり合いなどしている場合ではない。城下は刺客で危うい状況。
だが藩士だって無能じゃない。危機に気づく。
さあ、今度は藩を守るために目指すは城下、戦の走りだ。
敵は、飛び道具。形勢不利。銃弾がうなる、矢が飛ぶ、首も飛ぶ、血が吹く、藩士はへとへと。
それでも殺す、殺されるの局面が続く。
ここも長回しだから役者たちは休めないし、誰もがまちがいなく怪我をしているだろう。
観ていて息をのむ。黒澤明が浮かんだ。

本作は、監督を初め外国人スタッフが多く関わっているせいか、
邦画にありがちな「無用な情」が削ぎ落とされ、
緩慢な状況が一掃されて人間模様がスマートに伝わってくる。

ご褒美狙いのマラソン大会ではなかった。実に良くできたサムライ映画であった。

2019.1.23試写/G

2019年2月22日(金)ロードショー
名古屋/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、ほか
 

あまのがわ

  • 2019.01.18 Friday
  • 15:02

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あまのがわ

 



♯150


いまもって、さざ波が寄せる渚で、星空を仰いで友と語り合う思いが残っているだろうか。
わけもなく親に反抗した頃を思い起こせるだろうか。
本作は、自らの素直度をチェックするのにちょうど良い物語だ。

主人公は、毋との価値観が合わないことで悩み反抗してしまう思春期の女子高生:史織。
彼女は、校内で太鼓の音を偶然耳にする。幼い頃、祖母に習った太鼓演奏に心が躍る。
当然のように毋は勉強優先、いい大学、いい会社を望み、太鼓などとんでもないと娘を拘束。
悩む史織を崖から落とすように、親友の訃報が届く。後は、お定まりのように引きこもり高校生に。
その後、史織は偶然にも太鼓を叩く機会と出合うわけだが。

特長的なのは、荷物の取り違いから史織が、話し相手になるロボットを手にすることだ。
映画の演出上のおしゃべりロボットだと思っていたが、とんでもない実在するもので
OriHimeと名付けられた“コミュニケーションテクノロジーで人類の孤独を解消する”という
コンセプトのもとに開発されたものという。

毋娘の葛藤、ロボットを介した人間関係、幼なじみとのその後……など描き加えられていて
史織が少しずつ無くしそうになった笑顔をとり戻して行く。

小賢しい、あざとい展開は何ひとつない。
観ていて、「そうなるだろうな」と先読みしてしまう。そして、そうなる。
が…。こうした素直さを欠いた観方をしてはならないことに、ふと気づく。

で、一つひとつの出来事を忘れかけていた素直な気持ちで寄り添うと、史織の心の動きに共感できる。
太鼓を笑顔で叩く史織がチャーミングに思える。
ロボットの素晴らしさに改めて感心する。
最後のシーンにドキドキしてしまう。

さざ波が寄せる渚であまのがわを仰いで友と語るのは、
鹿児島県の屋久島でのワンシーンであり、とても清々しい。
素直度が高い人は、まちがいなく感動してしまう作品と言えるだろう、否、言える。

20189.1.15試写/C

2019年2月9日(土)全国順次公開
名古屋/名演小劇場
 

ビール・ストリートの恋人たち/IF BEALE STREET COULD TALK

  • 2018.12.25 Tuesday
  • 13:15

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ビール・ストリートの恋人たち/IF BEALE STREET COULD TALK
 


♯149


若い二人が公園をむつまじく散歩するシーンから始まる。
そして、立ち止まり向かい合う。
次のシーン、二人は向かい合う。今度は、分厚いガラスをはさんで互いは受話器を手にして話す。
「赤ちゃんができたの」と、ティッシュ(19歳)。「産まれるまでには、そこから出してあげる」と約束。
父になるファニー(22歳)は、収監されている。なぜに?

本作を観て“映画を観る”ということを考えさせられた。
エンターテインメント性を求めて、ハッピーエンドに感動したい、だんぜん勧善懲悪に限る……
観る動機はさまざまだが、本作は、いずれにも応えてくれない。

ニューヨークのハーレムで育った黒人のティッシュとファニーは幼なじみだ。
いつしか恋心が芽生えて、いっしょに暮らすための住まいを探し始めた。
そうした折、ファニーはトラブルに巻き込まれ、白人警官に無実の罪を着せられてしまう。

この警官が憎たらしいこと極まりなく、黒人に対する差別、白人の奢りを象徴するような
シーンで、不愉快そのものだ。

ファニーの無実を晴らそうにも、真実を知る被害者は故郷のプエルトリコに帰ってしまい
アリバイを証明できる友人は逮捕されてしまって、八方ふさがり。お金もない。

面会に出向くティッシュのお腹は大きくなるが約束は果たせないまま、流れる時は速い。
二人の会話に「心配しないで」「大丈夫だよ」という言葉が徐々に増える。
裏を返せば、不安な状況が続いていることを、否、むしろ状況の悪化を意味するわけで、
観ていて切なく、つらく、重苦しい展開からはやく解放して欲しくなる。

原作のタイトルは、“もし、ビール・ストリートが話すことができたら”。
ハーレムのビール・ストリートは、若い二人の成長を見守り、
この通りで何が起きたのか、一部始終を知っていてファニーの無実を語ってくれるのに
という意味合いになるが、突き離したタイトルだ。

ティッシュのお腹が目立つようになる。
もう、誰も救ってくれないのか。あ〜、ハッピーエンドを願うしかない。

2018.12.19試写/S

2019年2月22日(金)TOHOシネマズシャンテ、ほか全国公開
名古屋/伏見ミリオン座
 

マイ・ジェネレーション 〜ロンドンをぶっとばせ!/MY GENERATION

  • 2018.12.11 Tuesday
  • 12:42

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マイ・ジェネレーション 〜ロンドンをぶっとばせ!/MY GENERATION

 



♯148


あの頃、“不良”という言葉が元気づいていた。
エレキやロックンロールは不良少年、ミニスカートは不良少女といった風に
大人たちは若者文化=不良行為と決めつけた。おおよそ半世紀もの昔のことである。

1960年代、ロンドンを中心に生まれた数々の不良行為?
イギリスの大人たちは、それまでになかった文化に眉をひそめ非難の言葉を口にしたのだ。
本作は、その頃へタイム・トリップするドキュメンタリーである。

てなわけで、団塊世代といわれるあの頃の若者は、
いま、試写室の白いスクリーンを前に、ちょっとわくわくの気分。
不良時代へのトリップを楽しみにしていた。
映し出された世界は、60年代のロンドン。三部構成のトリップが始まった。
第一章:漂う気配/イギリスに於ける階層の壁が崩れ新しい文化の胎動が始まる
第二章:私は自由/若者文化の波及と現象
第三章:すべてが見た目とは違った/変化がもたらす影

ロックンロール、もちろんザ・ビートルズ…、ザ・キンクスも出てくる。
流れる多くの曲は、どれも懐かしさに満ちて、自然とリズムを刻んでしまう。
不良少女たちには、あこがれたトゥイッギー、ボブ・ヘアーに当時の自分を重ねるだろう。
忘れられない流行もアートも溢れ出る。
もう、理屈は無用。あの頃と同じように、観て感じるままでいい。

ところで、あの頃を知らないジェネレーションには、この作品はただの古くさい時代と
受け止められてしまうのではないか、ちょいと気がかりだ。
が、言いたい。「スマホの小さな画像ばかり見ていないで、いまこそ顔を上げ
己の目で広く社会を、深く政治をしっかり見るべきだ」と。
てなことを言うようでは、あの頃の非難を口にした大人たちと同様になってしまうだろうけど。
まっ、いいか。
本作は、あの頃の不良少年のわくわくに見事に応えてくれた。もう一度トリップしたくなる作品だ。

2018.12.6試写/C

2019年1月5日(土)Bunkamuraル・シネマ、ほか全国順次ロードショー
名古屋/名演小劇場

 

ライ麦畑の反逆児 〜ひとりぼっちのサリンジャー/Rebel in the Rye

  • 2018.12.05 Wednesday
  • 20:38

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ライ麦畑の反逆児 〜ひとりぼっちのサリンジャー/Rebel in the Rye

 



♯147


全世界の若者たちに“青春のバイブル”として座右に置かれる一冊がある。
『ライ麦畑でつかまえて』
著したのは、本作の主人公であるJ.D.サリンジャー。
著書は、1951年に発行されるや、たちまちベストセラーとなり、
彼(32歳)は脚光を浴びるが、世の狂騒に背を向けてしまい
次作を期待されながらも30代そこそこで姿を消してしまう。
その、謎に満ちた行動の理由を生前に語ることは許されなかったというが
生誕100年を迎えるいま、天才作家の選択と名作誕生の成り行きを知ることになる。
本作は、実話の物語なのだ。

果たして、サリンジャーはどんな若者だったのか?
本当に反逆児だったのか?だとしたら、何に対して反逆していたのか?

誰とて人生は、出会いと選択・体験によって大方が方向づけられるだろう。
作家志望の若者にとって、
編集者であり大学教授でもあったウィット・バーネットの影響は極めて大きい。
学生サリンジャーが教授に「作家になるにはどうすれば良い?」と質問する。
問われたウィットは、すかさず「原稿の不採用に耐えることだ」と真顔でアドバイス。

本作ではこうしたウイットに富んだ会話がたびたび織り込まれていて作品の魅力を増している。

第二次世界大戦での地獄の体験もサリンジャーのその後に関わっている次第で、
世間から距離を置いてしまう彼の選択には共感できる。

ただ、彼を偏屈者として受けとめてしまう向きもあるだろう。
サリンジャーがまっとうであり、世間が歪んでいるとも理解できるはずである。
立寄らば大樹の蔭、長い物には巻かれろといった心情には
サリンジャーの言動は奇異にうつるだろうし、本作の深みは味わえないだろう。

生き方を考えるうえで、本作は実に意味深く落ち着いた表現で何かを示唆してくれる。

2018.12.3試写/S

2019年1月18日(金)全国公開
名古屋/伏見ミリオン座、ほか
 

家(うち)へ帰ろう/THE LAST SUIT

  • 2018.11.29 Thursday
  • 16:36

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家(うち)へ帰ろう/THE LAST SUIT

 



♯146


いま、アブラハムは家族に囲まれた写真を撮ろうとカメラの前に座っている。
笑顔ではない。
88歳、アルゼンチンで仕立て屋として生きてきた彼は、いよいよ自宅兼仕事場を引き払い
翌日、老人施設に入らなければならない。娘たちがそう決めた。

孫たちも帰り、ひとりになった彼は、ふるさとポーランドへ向かうことを決意し
翌朝、家を抜け出し飛行場へ向かう。70年前、幼なじみと交わした約束を果たすために。

第二次世界大戦中のポーランド、
ナチスドイツによるホロコースト。
ユダヤ人アブラハムは、命からがら逃れることができた。
ぼろぼろになった彼を救ってくれたのは、幼なじみのピオトレック。命の恩人である。

約束は、ピオトレックに自分が仕立てた“最後のスーツ”を渡すということ。
しかし、70年前に別れて以来、一度も会っていない。ましてや、ふるさとに居るのか?

アブラハムは、マドリードからパリへ。
パリの駅での案内係とのやり取りは、本作を象徴するシーンではないか。
“ドイツを経由せずにポーランドへ行くルートを教えてくれ”と、しゃべらずメモで問う。
案内係りは通じないフリをする。
そのやり取りを見ていたひとりの女性が仲介してくれたが、彼女はドイツ人。
アブラハムは、その親切さえも気に入らない。
絶対にドイツの地に踏み入れない方法を彼女は提案。彼は、已むなく受け入れて列車に乗り込むが。

アブラハムは、ドイツ人が伯父たちを目の前で撃ち殺したことを「この目で見ていた」と
70年以上前の出来事に憤りを忘れることはない。
そして、あろうことかポーランドへの車中で目撃したことに身が打ち震え、倒れてしまう。

戦争の悲惨さを訴求する作品は多々ある。
本作のような表現は、初めて観た。
アブラハムの頑固さと周囲の一人ひとりの優しさの対比も衒いがなく印象的で意味深い。

そうそう、邦題を「家に帰ろう」とした訳が、最後の最後に理解できる展開は感動的。

2018.11.27試写/C

2018年12月 シネスイッチ銀座、ほか全国順次公開
名古屋12月29日(土)/伏見ミリオン座
 

私は、マリア・カラス/MARIA BY CALLAS

  • 2018.11.08 Thursday
  • 20:57

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私は、マリア・カラス/MARIA BY CALLAS

 



♯145


「マリアとして生きるには、カラスの名が重すぎたの」
彼女は、40代半ばの頃のインタビューで自身のこれまでを語る。
本作は、まさにこの言葉に象徴される作品である。

全編を彼女の言葉と歌だけで構成。
熱狂的なファンでさえ知りえなかった、さまざまな出来事の「真相」「告白」
未公開だった映像も丁寧に編集された、貴重な114分である。

まず、言葉だ。
先のインタビューに答えるシーンが、人生の変化を綴る折々に挿入され、時々の思いを語る。
舞台でのカラスからは想像もつかないプライベートなマリアとしての思い。
それでも、気丈で理不尽な圧力にひるむことのない様子は、言葉の端々に残る。
彼女が、自叙伝や手紙にしたためた言葉も朗読で紹介される。
そこには、マリアとして生きたい悩み、迷い、カラスから解放されたい面持ちも伺える。
朗読するのは、『永遠のマリア・カラス』でカラス役を演じたファニー・アルダンだ。
インタビューに答えるカラスとそっくりの口調で、カラスと聞きまごう印象が生々しい。

そして、歌だ。
カラス本人が、11曲もカットされることなく歌い上げてくれる。
試写室、そこは“ひとりオペラ座”の特別席に。陶酔の粋を味わう。

マリア・カラスのさらなる魅力は、次の言葉にも。
「あなたは、レジェンドですね」と、インタビュアーが。
「いいえ、私はふつうの人間よ」と。

2018.11.6試写/G

2018年12月21日(金)公開
名古屋/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、ほか
 

マイ・サンシャイン/KINGS

  • 2018.11.02 Friday
  • 18:02

JUGEMテーマ:試写会

 

マイ・サンシャイン/KINGS

 



♯144


アメリカに今もって残る病巣に焦点をあてた作品である。
とはいえ、問題の深刻さを訴求することなく、それでいて視点をそらしたりはしない。
ひとりの黒人女性の日常を取り上げ、争うことの愚かさ、無念さを巧みに表現。

1991年、LAサウスセントラルに暮らす、ミリー(現存)。
彼女は、貧しいながらも家族から見放された子どもたちを愛情豊かに育てている。
幼児から高校に通う、やんちゃな育ち盛りに手を焼きながらも明るく暮らす。
彼女にとって子どもたちは、マイ・サンシャインなのだ。
隣人の白人男性オビーは、日々の騒がしさにうんざり。だが、お隣さんを排除したりはしない。

そうした日常の最中、3月3日、黒人男性が白人警官たちに殴打される理不尽な事件が起きた。
被害者の名から「ロドニー・キング事件」として歴史に暗く残る。
さらに、2週間も経たないうちに、黒人少女が韓国の女性店主に万引きと間違えられて
背後から頭部を射抜かれてしまう。「ラターシャ・ハーリンズ射殺事件」だ。
その後の裁判で、警察官たちは無罪、女性店主には執行猶予付きの、非常に軽い
黒人差別といわざるを得ない判決が下された。

翌年4月、暴力の過剰行使で逮捕されていた警察官たちが無罪釈放されたことをきっかけに
ミリーの暮らす街で暴動が発生。
二人の黒人が犠牲になったことに、怒りが沸き上がる。
ミリーの子どもたちもテレビに映し出される映像に刺激され家を飛び出し暴徒化してしまう。
心配して後を追うが騒ぎに巻き込まれる、ミリー。挙げ句に手錠を掛けられて窮地に。

英題は、KINGSとあるが、「ロドニー・キング事件」の被害者の名、
そして、非暴力主義による公民権運動を指導したルーサー・キングの二人を表わす。
ここに制作者のメッセージが込められているように思う。
絶望でなく希望を、世界が抱える移民難民問題への対応を示唆し、
KINGSが遺してくれたものを普遍的な日常のために、今こそ再認識すべきではないか、と。
ただ声を荒げたり分断ではなく、観る者の意識に優しく働きかける本作で。
決して諦めないミリーのように。

2018.10.23試写/S

2018年12月15日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、ほか全国ロードショー
名古屋/センチュリーシネマ
 

華氏119/Fahrenheit11/9

  • 2018.10.26 Friday
  • 17:48

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華氏119/Fahrenheit11/9

 



♯143


なぜだろう?11月のアメリカ中間選挙、その結果が気になるのは。
トランプ大統領が誕生して、今日まで何が起き、何が壊されたのか、
さまざまな出来事は、我が住む国の日常にも、将来にも大いに関係する。
好ましいことなら希望につながるが、虚言、暴言、分断、人種差別、ロシア疑惑、
人間性までも問われかねないうえに、彼に寄り添う我が国の姿が異様であるからして気になる。

119、それは大統領選挙で、アメリカ国民だけでなく、世界の誰もが驚いた11月9日
トランプが選挙での勝利を宣言した、その日を表わす。
支持率、得票数さえもヒラリーの方が勝っていたのに、なぜだ?

マイケル・ムーア監督は、いまのアメリカを暗黒の時代と称し、なぜこんな地獄に迷い込んだのか?
トランプは、どこからともなく湧いて来たのではなく民主主義のもとに選ばれたとも語る。
しかし、トランプは選挙の“裏技”を用いたと、恐ろしい“からくり”を明かしていく。

高校での銃乱射事件で生き残った生徒たちの銃規制への涙の訴え、
ムーアの故郷フリントでの汚染水問題に立ち上がった住民、
低賃金に抗議する教師たちによるストライキ、
こうした問題も取り上げながら、民主主義が危機に瀕していることを訴求。
恐ろしい流れとしてトランプの言動、思考が狂気に突き進むヒトラーと見事に重なることを
当時の映像とトランプのそれをオーバーラップさせることで明らかに証明してみせる。
ムーアは加える。
「権利や憲法が少しずつ壊されていないか。それを許せば我々が望むアメリカはなくなって
しまうかもしれない」

アメリカの状況は、対岸の話しではない。
我が住む国もそういう向きを否定できない。
アメリカのことを心配することよりも先に、我々の足元がどうなっているのかを考えなければ。
「トランプは、民主主義が壊されていく現実に気づかせてくれた。いまなら間に合う。
手遅れにならないうちに行動しよう」と、ムーア。
いま必要なのは、考えること、気づくこと、慣れてしまわないこと、投票率を上げること。
ムーアに共感!

2018.10.23試写/G

2018年11月2日(金)全国ロードショー
名古屋/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、ほか
 

Merry Christmas! 〜ロンドンに奇跡を起こした男/The Man Who Invented Christmas

  • 2018.10.23 Tuesday
  • 11:37

JUGEMテーマ:試写会

 

Merry Christmas! 〜ロンドンに奇跡を起こした男/The Man Who Invented Christmas

 



♯142


英文学作家チャールズ・ディケンズを知る人には、彼と久しぶりに合う機会になる本作。
テーマは、『クリスマス・キャロル』というわけで、スクルージも登場してくれる。

ベストセラー作家といえども、コンスタントにヒット作を著せるものではない。
書けなければ、当然生活に影響してくる。まさに1943年のディケンズがそうだ。
灯をともすローソクも節約しなければならない昨今。
出版社には、原稿料の前借りも断られて、スランプに追い討ちをかける。

時は、10月。
アイルランド人のメイドが、祖母から聞いたというクリスマスの物語を子どもたちに
話しているのをディケンズは偶然耳にする。
クリスマスイヴの日は、あの世との境目が薄くなり幽霊たちがこの世に出てくるというあら筋。
「おっ!これだ!クリスマスの物語を書くぞ」と、彼は意気込んだ。
「主人公は、守銭奴の老人にしよう」、その名は……

新作の構想を出版社にプレゼンするが「いまどきクリスマスの本は売れないし、
ましてやクリスマスまでに売り出すには6週間しかない」とつっけんどんな返事。
しかし、彼がくじけなかったから『クリスマス・キャロル』が今日存在するわけである。

自費出版もやむなしと決意して筆を持ち、主人公の老人の名をスクルージと決めた瞬間、
何と、ディケンズの前に当人が現われ出てくるではないか。
ここからはファンタジーの要素が加わり、新作を書き上げるまで、
過去・現在・未来の幽霊たちもそっくり登場し、ディケンズのアイデアを助けたり、
注文を付けたり。おまけに彼らに惑わされながらも、どうにか筆が進む。

クリスマスが題材だけに、家族、友、助けあい、利己的、孤独、許しあうといったことへの
教えが、観ていていささか気に入らないが、押しつけがましくないから、まあ許すとして。

テレビゲームに熱中し、勝った!負けた!と明け暮れている子どもたち、
お金こそが幸せをもたらすものと信じて、数字に狂う大人たち、
そうした人たち必見、
忘れかけていた素直な気持をとり戻したい人も。

2018.10.18試写/C

2018年11月30日(金)全国ロードショー
名古屋/109シネマズ名古屋
 

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