はじまりの街/La Vita Possibile

  • 2017.10.17 Tuesday
  • 20:38

JUGEMテーマ:試写会

 

はじまりの街/La Vita Possibile

 



♯103


日々の暮らし。その継続によって人生は、像を成す。
時に問題が起きても、解決のないままに日々の暮らしは、容赦なく次の頁をめくる。
そうした繰り返しにいつしか馴れてしまい、問題は遠ざかったかのように思え、過去に追いやられてしまう。
問題は、消えてはいない。しかし、人は、それを乗り越えてしまう。時間を要するが。
………この作品を観終えて、問題の乗り越え方を暗示された気がする。

友だちとサッカーの話しをしながら家に帰ったヴァレリオ(13歳)は、父の毋に対するDV行為を見てしまう。
あまりもの衝撃と恐怖に立ちすくんでしまう。
毋アンナは、ヴァレリオを連れ、ローマから親友カルラを頼ってトリノへ逃げる。
彼女は、ひとり住まい。二人を快く招き入れ、はじまる暮らしに期待もする。

三人それぞれの日々は、とりあえずはじまる。DV問題は、置き去りのままだから父は、息子に会いたいと執拗に要求してくるし、
反省の言葉を並べ、元の家族へ、つまり過去を取り戻したいと迫る。
ヴァレリオは、思春期まっ盛り。
馴染めない地で友だちもできず、閉じこもる部屋すらない。
垣間見える大人たちの振る舞いも許せない。反抗はすべて毋に向けられる。

観ていて、やるせない思いが募る。三人の日々は、壊れてしまうのではないか。

唯一の救いは、トリノの街の情景にある。
監督は、35丱侫ルムを用いることで街の空気感を見事に映し出した。
デジタルでは出せない奥深さと微妙な動きをたいせつにしたという。
監督の狙いは、確かにわかる。往年のイタリア映画の趣きを感じるし、トリノの暮らし感が染み伝わってくる。
だからこそ、この街で毋子の暮らしがうまくいって欲しいと思いも膨らむのだが、
ストーリーには変わりなくハラハラさせられてしまう。

いよいよラスト。
幸いにも絶妙なエンディングが用意されていた。
『007ゴールドフィンガー』のテーマ曲を歌う、シャーリー・バッシーの名曲“This is My Life”に託されたメッセージだ。
彼女が響くように歌い上げる 「♪……それが、人生」

何があろうと目の前の日々「それが、人生」。三人に教えられた。

2017.10.11試写

2017年10月28日(土)岩波ホールほか、全国順次ロードショー 名古屋/11月4日(土)名演小劇場
 

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