リングサイド・ストーリー

  • 2017.09.28 Thursday
  • 10:00

JUGEMテーマ:試写会

 

リングサイド・ストーリー

 



♯101


はじまりは、弁当工場を突然クビにされるカナコの動揺から。
稼ぎのない俳優ヒデオ(35歳)と10年も同棲中で、収入がなくなればふたりの生活は大ピンチ。
ヒデオは、オーディションを受けるもことごとく落ち続け、いまやカナコのひも状態。
それでも「いつかは、カンヌ映画祭に連れてってやる」が彼の捨て台詞だ。

そう、ダメ男とそれを一心に支え続ける健気な彼女のちぐはぐを描いたコメディである。
確かに素直に笑えて痛快であるが、ふたりはその時その時を懸命に生きているわけで、だからこそ折々の会話が巧妙でおかしいのである。
こっけいであり、哀愁がまさり、共感でき、噛み合ない歯がゆさなどなど奥深い笑いに、脚本の秀逸さを感じる。

ひも暮らしのヒデオは、カナコにどれだけ嫌味をいわれても奮起して働こうという気はまるでない。
いよいよピンチとなると、カナコの働き口を探すことに。
あったではないか、プロレス団の広報担当。
彼女に成り済まして履歴書を出すと“面接へ”の回答。カナコは、気が進まないが食べるために対応。採用決定。
当初は、嫌々働いていたはずのカナコが、生き生きと仕事に出かけるようになる。
すると、「おかしいぞ、浮気をしているのでは?」と疑い出し、いよいよ嫉妬に狂うヒデオ。
とうとう事件を起こしてしまう。

そうそう、これはあざといコメディではなく、実話から生まれたストーリーだ。
つまり、ふたりは、ふたりの生き方でいつかはカンヌに行く夢を一緒に追い続けているわけで、観ていて妙に応援したくなる。

事件を起こしたヒデオは、その罰としてK-1チャンピオンとの一騎打ちを命じられてしまう。
勝つわけはないが、「よし、俺は俳優だ。挑戦者を演じきってやる」と息巻く有り様。
カナコにも恰好いいところをみせたいという見栄を張る。
そして、ロッキーを思わす猛特訓。しかし、腰は引けているし、チャンピオンは本物(武尊/たける)が登場。

物語は、終わりに近づく。その前に、涙と笑いが合わせ出るシーンがたっぷりと用意されている。
吟味された台詞、ベタつきのない人間関係、テンポよい間合い、どれをとっても納得できる。
邦画も捨てたものではない。

2017.9.15試写

2017年10月14日(土)渋谷シネパレほか、全国ロードショー 名古屋/センチュリーシネマ
 

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