女神の見えざる手/Miss Sloane

  • 2017.09.13 Wednesday
  • 17:57

JUGEMテーマ:試写会

 

女神の見えざる手/Miss Sloane

 



♯99


これほど凄まじい映画を観たことがあっただろうか。
ひとりの女性が、己の信じる「勝利」のためだけに倫理、正義など容赦なく切り捨て戦略を練り成し遂げる。
映像で奇を衒うことなく、全編セリフの応酬そのもの、最後の最後まで、そうエンディングロールが終わるまで
観客の肝を鷲掴みにしてしまう、凄まじく魅力的な作品である。

ひとりの女性、名はエリザベス・スローン。
政党や議員に、クライアントの要請に添うように働きかけ政策決定に影響を及ぼす辣腕ロビイスト。
実際、ワシントンD.C.にはロビイストの会社が建ち並ぶ、通称「Kストリート」があり、
スローンは、その大手で活躍し政府やメディアからも一目置かれている。
そこに銃擁護団体から、新たな銃規制法案を廃案に追い込んでくれという依頼が入る。
スローンは、銃規制派。
団体の大物であろうがきっぱりと断る。となれば会社にはいられない。
で、廃案を支援する方にもロビー会社があって、そちらへ鞍替えするわけだが、こちらは弱小。
しかし、ここからが彼女の本領発揮となる。
自らの戦略を成功させるために仲間さえも欺く、罠を仕掛ける、奇策を繰り出す。
当然相手も黙ってはいない。スローンを潰せ、スキャンダラスな側面を探せと反撃に総力をあげる。

全体を通して闘いは激しいが、テンポといい、セリフの中身といいセンスよくコーディネートされて、
品の悪いどこかの国の揚げ足取り的な展開ではなく上質さが知性を感じさす。
ただ、あまりにもリアリティーにあふれ、フィクションだとわかっていても現実に行われていることのように思えてならない。
このような状況で政治は裏で動いているのだろうと。
そうなると、法案は議員たちの社会に対する誠意と信念で審議されるべきものなのに、議員たちはロビイストの画策に左右され、
ただ賛成・反対の票を投じるだけの存在でしかないように思えてしまう。

さておき、スローン潰しは醜さの域へ。
彼女は、かつてのロビー活動で不正取引を行ったのではないかと聴聞会にかけられ追及され苦しい立場に。真偽は?
不正が証明されれば刑務所送りになる。さあスローン、対してどのような策を講じる。
観ている側も、彼女の巧妙な手口に踊らされていることに気づく。
騙されてたまるかと、スローンの手口から逃れようと次を読む。ところが、外れる。
ついつい興奮してしまう。
が、最後の最後、清々しい終わり方が用意されており、加えて、エンディングにベートーベンの『月光』を思わす曲が興奮を鎮めてくれる。
………
おとなのためになる作品、納得。

2017.9.11試写

2017年10月20日(金)TOHOシネマズ シャンテほか、全国ロードショー 名古屋/センチュリーシネマ
 

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