瞽女 GOZE

  • 2020.10.05 Monday
  • 13:20

JUGEMテーマ:試写会

 

瞽女 GOZE

 



♯204


ひとりの娘は、生後3 か月にして失明してしまう。
1900 年(明治35 年)生まれの小林ハルである。
父親は、この娘の生涯はわたしが見守ると約束したものの、2 年後に世を去ってしまった。
途方に暮れる毋トメは、ハルを抱きかかえて占い師の下へ。
「6 歳になったら瞽女(ごぜ)にするとよい」とのご託宣だとトメに告げる。

瞽女は、目の不自由な女性芸人で、三味線をつま弾き語り物を唄いながら僻地山村を巡り
村人たちを癒し喜ばせたという。
村人たちにしてみれば、数少ない娯楽のひとつで彼女たちが来るのを待ち望み、畏敬の念をもって迎えた。

ハルを瞽女にするということは、トメの手を離れることを意味し、もう面倒を見てやれない。
どんなに苦難な道でも、ひとりで生きていけるよう、鬼になってしつけることを決意する。
確かに鬼だ。健気なハルだがくじけない。細い針穴に糸を通すこともできるようになる。
足腰を鍛えるために、カゴに重りを入れて担がせ、階段を上がらせる。重りが増える。

各地の村へは、3〜4 人が一組になり、先頭に視力が残っている手引き役、親方、弟子の順に
前の人の荷物に片手を掛け、もう片手に持つ杖で足下を確かめながら移動する。
荷は重い、峠越えは石ころで、滑りやすく、激流に掛かった丸木橋をも渡る。
トメはそのことを知っての鬼であり、自らもつらい。

7 歳になり、ハルはいよいよ瞽女の弟子入りとなる。厳しい親方だ、いじめとも思える行為も耐えない。
観ていて決して共感できるわけではないが、弱音を吐かないハルに胸があつくなる。

小林ハルさんは、実在の方で、83 歳(昭和48 年)まで瞽女を続け
5 年後には、無形文化財保持者いわあゆる人間国宝に指定され、翌年「黄綬褒賞」を受賞。
105 歳の天寿をまっとうした。

本作は、その彼女が、鬼と思い込んでいた毋の慈しみを知るまでを描いたものである。
ハルには辛い状況が続くも、村人の優しさに応え前向きに生きる姿は、いささか心に響く。

運命を恨まず、人の幸せを妬まず、人を差別せずを信条に
人生の不幸のすべてを素直に受け入れた“瞽女ハル” の生き様。
まっとうに生きるうえでの教訓を得たようで、改めて自身に問う機会となった。

2020.10.2 試写/ C

2020 年10 月24 日(土) 名古屋/名演小劇場

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