異端の鳥/原題:The Painted Bird

  • 2020.09.13 Sunday
  • 17:36

JUGEMテーマ:試写会

 

異端の鳥/原題:The Painted Bird

 



♯201


タイトルからしてそうだが、まことに難解な作品である。
止めどなく描き出される醜いシーンに、その意図がつかめない。
だが、本作は「第76 回ヴェネツィア国際映画祭」でユニセフ賞を受賞するなど、多くの映画祭で賞賛されている。

10 歳ほどの少年は、老婆と共に居たが、彼女の突然の死と火事に見舞われ、住む所を失ってしまう。
生きる場所を求め、歩き出す。
さまざまな局面で下心ある大人に、時に優しい大人に助けられるものの、
同時に、どこへ行っても異質なものとして迫害され、
酷い扱いを受け、少年の心は壊れ、遂には口も利けなくなる。

時代は、第二次世界大戦中で、場所は、東欧のどこかという設定だ。
舞台となる国や場所を特定されないよう、台詞は人工言語「スラヴィック・エスペラント語」である。

原作は、自身がホロコーストの生き残りであるポーランドの作家「イェジー・コシンスキ」が
1965 年に発表した代表作『ペインテッド・バード』(初版邦題:異端の鳥)だ。
が、本著はポーランドで発禁となり、後に作家自身は自殺。謎めいた扱いをされているという。

ということは、やはり問題作なのだろう。故に難しいのか?

物語では、少年が鳥売りの男と出会う局面でタイトルの意味が明かされる。
男は、戯れに小鳥の羽にペンキを塗り放した。小鳥は群れに混ざろう舞うが、群れを成す多くの小鳥たちは
一斉に“ペインテッド・バード” に襲いかかり残酷に突っ突く。突かれた小鳥は、無惨な姿で地に果ててしまう。
少年は、突き殺された小鳥であり、群れは戦時下の狂った大人たち、社会だというわけか。

物語はその後も、差別、卑劣、残酷、欲望、嫉妬、二面性、…など容赦なく描き出す。
よく考えると、それらは誰でも内面する“人間の本質” であり、
戦争が原因という言い訳は許さないと言いたげだ。

露骨で衝撃的な描写には、賛否両論あるというが、本作で投げかけられた問題は確かに難解だ。
少年を通して見せつけられた“人間の本質”。
今日に於いても変わっていない本質。その醜さを補うのが理性であり、知性であり、抑制するチカラではないか。
少年の変化は、他人事ではない。

2020.9.11 試写/ C

2020 年10 月9 日(金)TOHO シネマズ シャンテ、ほか全国ロードショー
名古屋/伏見ミリオン座、ほか

 

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