みをつくし料理帖

  • 2020.08.27 Thursday
  • 10:25

JUGEMテーマ:試写会

 

みをつくし料理帖

 



♯200


「何があってもずっと一緒や」と約束したのに、生き別れてしまった二人の少女。
上方と江戸、それぞれが異なる料理へのこだわり。
それ故に、その料理が引き寄せる、引き裂かれた二人の10 年後。
物語は、心あたたかく細やかに描かれる。

たまたま通りかかった占い師が、野江を見るやいなや、“旭日昇天”、
天下を取る勢いのある、まことに稀な相だと驚く。
対して一緒にいた澪(みを)の相はというと、“雲外蒼天”、
困難に出合いつらく苦しい思いをする人生だ、が、乗り切れば青空が広がると言い切るのだ。
享和2 年(1802 年)、二人は幼なじみ、仲のいい8 歳。大坂での出来事であった。

なのに自然は過酷だ。突然の豪雨、大洪水をもたらし町ばかりか、二人を引き裂いてしまう。
澪は、料理屋の女将に拾われ助かったものの、野江の消息はつかめないまま歳月は流れる。

困難な災害から10 年、澪は、江戸・神田にある蕎麦処で料理人として雇われている。
彼女は、水が変わってもそのことに気づく繊細な味覚をもっていたから天職に就いたわけだ。
で、主(あるじ)に任され、客に料理を振る舞うも、上方流は受け入れてもらえない。
なぜ?と悩む澪。
苦しい思いのなか、懐かしい上方の味を生かしつつも、江戸で評判の料理を生みだす。
それを聞きつけた怪しげな男が「ある方が故郷のよすがに」食べたいと言っている、
是非に、と求めて来た。

本作は、角川春樹監督の最後の作品になるという。
澪と野江の若い二人を取り巻くのは、すべてが思慮深い大人たち。役者も豪華だ。
よって、全体が落ち着いた流れで、観る者を引きつける“角川映画” の真髄に触れた思いだ。

野江に会いたい、澪の強い思い。決して顔を合わせてはならない、野江の身上。
二人には絆を確かめあう仕草があり、その場面がとうとうやって来た。
中指と薬指を親指に会わせ、人差し指と小指を立てて「狐はコンコン、涙はこんこん」とあどけなく振る。
愛らしい様子にも感動を誘う、監督の匠を改めて知る。

2020.8.25 試写/ T

2020 年10 月16 日(金)全国一斉公開

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