その手に触れるまで/英題:YOUNG AHMED

  • 2020.04.09 Thursday
  • 17:33

JUGEMテーマ:試写会

 

その手に触れるまで/英題:YOUNG AHMED

 



♯196


何かにのめり込んでしまうと、その影響を強く受けてしまうのは有りがちなこと。
本作は、13 歳の少年がイスラム教に心酔してしまったばっかりに起きたベルギーの物語だ。
作中では、イスラム教の決め事?として4 項目が示される。
1- 厳格なイスラム教では歌は禁止
2- 犬や動物は不浄。そのつばは汚い
3- 家族以外の女性に触れる事は禁止
4- 1 日5 回礼拝 ……(作品パンフレットより)

父が家出し、毋と暮らす少年アメッド(AHMED)は、まちの小さなモスクに通う
いっぱしのムスリム(イスラム教徒)気取りである。
ベルギーの学校では、登校・下校時に先生と握手するのが習慣だという。
で、アメッドが先生との握手を拒み帰ってしまう事から物語は始まる。
先生は、アメッドの識字障害克服のために、読み書き計算を毎晩教え来てくれた恩人なのに。

さらに、先生のある行為に対してアメッドは、反感を抱くばかりか抹殺までも決意。
そして、祈りを捧げるアメッドは「アラーよ。僕の行動を受け入れてください」とつぶやく。

「アラーは偉大なり」という、どこかで聞いたような台詞も飛び出すが、
イスラム教を批判的な視点で捉えた作品ではない。。
英題の、『若いアメッド』の通り、若さゆえの少年の思考の偏りや無謀さ
自分に都合のいい事だけを正しい事と思い込む危うさを描写し、
並行して少年の成長する姿を思慮深く描く。
…という次第で、アメッドは先生の手に触れる事ができるのか、
強いては恩人の思いに応えることができるのか、という問いを邦題が意味するわけである。

観終えて、物語以上の何かを感じてならなかった。それは何か。
自分の考えに添う答だけを受け入れ、そうでないものは拒否する、
あるいは一方的に非難する大人の多さへの再認識である。
若いアメッドばかりではない。政治家しかり、定年おやじも含めて、他者を受け入れようとしない危うい姿勢。
そうした状況を見越したような皮肉さも感じられた。

2020.4.6 試写/ S

2020 年5 月22 日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、ほか全国順次ロードショー
名古屋/伏見ミリオン座

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