シェイクスピアの庭/ ALL IS TRUE

  • 2020.03.11 Wednesday
  • 14:19

JUGEMテーマ:試写会

 

シェイクスピアの庭/ ALL IS TRUE

 



♯193


シェイクスピアの作品は、敷居が高い。
本作に向けても、その思いは拭えなかった。タイトルからして詩的で取っつきにくい。

1613 年6 月29 日、「ヘンリー八世」(発表当時のタイトル:All is True)の上演中に
舞台装置の不具合から出火しグローブ座は焼け落ちてしまう。
そして、20 年余の間、ほとんど会うことのなかった家族の住む故郷
ストラットフォード・アポン・エイヴォンへ馬を走らせる49 歳のシェイクスピアがいた。
まちを遠望する彼に少年の亡霊が問いかける。

物語の始まりである。
突然帰って来て、このまま暮らすと語る夫に、父に困惑する3 人。

文豪シェイクスピアに家族という言葉は似つかわしくないように思えるのだが
後々、家族との日常やトラブルに溶け込んでいく人間性を伺い知ると、彼に近づける気がする。

真実として、彼には長女スザンナと次女ジュディスがいて、もうひとり17 年前に11 歳で他界した
次女と双子の長男ハムネットがいた。物語の初めに現われた亡霊の少年がそうだ。
少年の問いかけが頭から離れないシェイクスピアは、最愛の息子を悼むために「庭」を造るのである。
なぜ「庭」なのか、果して息子の死因は何だったのか、
真実を求める流れが物語を支え深め、シェイクスピアの人間性が浮き彫りになる。

監督は、10 代の頃からシェイクスピアに魅入られて、役まで演じるケネス・ブラナー。
作中の台詞には、戯曲の言い回しが織り込まれているるらしい。
亡霊も、庭もシェイクスピア作品と切り離せない要素とか。知る人には、小気味よい展開だろう。

52 歳の誕生日に亡くなるまでの3 年間のシェイクスピアは、一面変わりない夫であり、父であった。
この真実を知るに及んで、シェイクスピアに対する敷居が下がった、ような気になる。
シェイクスピアについて、知ったような口を叩くのなら絶対に見逃せない興味深い作品だ。

2020.3.9 試写/ C

2020 年3 月6 日(金)Bunkamura ル・シネマ、ほか全国順次ロードショー
名古屋/4 月4 日(土)名演小劇場

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