田園の守り人たち/ Les Gardiennes

  • 2019.06.26 Wednesday
  • 09:22

JUGEMテーマ:試写会

 

田園の守り人たち/ Les Gardiennes

 



♯168


ミレーの絵を連想させる表紙で、読み始めたら夢中になってしまう文学書のような本作。
上映時間135 分の長さを感じさせない小気味よい展開に合点がいく。

第一次大戦下のフランス。
三人の子どもを女手ひとつで育ててきたオルタンスは、農園も守り通してきた。
いま、彼女は長男を戦場へ送り出そうとしている。
家を出て行く息子の姿が霧の中に消え去るまで、複雑な思いで見届ける。
このシーンは、戦闘を描かない戦争映画であることを暗示する。
息子や夫の安否を気にかけながらも、農園を守るしかない女性たちの日々も戦いだ。

オルタンスもそのひとり、二人の息子と、娘の夫が戦場へ。
娘とだけでの農作業は、人手が足りない。若い働き手のフランシーヌを雇い入れる。
孤児院育ちの彼女は、素朴で誠実。愚痴ひとつこぼさず、何でもこなす。
女三人の暮らしは打ち解けあい、農作業も順調に。
そこへ一時休暇で前線から次男が帰って来た。フランシーヌとの年かっこうが合うからややこしい。
村にはアメリカ兵が駐留していて、時には農園に顔を出す。
娘が彼らと親しくなってしまい、村の噂になるやら、ややこしい状況が重なる。

本作は、状況一つひとつのてん末を追い求めるようなことをせず
ページをめくるように次から次へと進展する。そのため人間関係のややこしさを感情的にとがめることがなく
もうひとつの戦争映画という主旨がボケない。

兵士を送り出したり、迎える駅のシーンが時をおいて度々織り込まれるが、
このシーンの変化を見逃してはならない。
その時々の前線の戦禍をそれとなく映し出しているのだ。

銃後の女性たちにも変化が。オルタンスは家族を守るためにフランシーヌを追い出してしまう。

濡れ衣を着せられたフランシーヌの場合は、あまりに〜も悲しい〜。
お腹には新しいいのちを宿し、二つのバッグをかかえて惑うフランシーヌ。

大戦は終わった、オルタンスの長男は戦死。長女の夫と次男は帰還。で、戦死した長男の土地を
巡って家族の争いが始まる。本作が残すページは後わずか。フランシーヌが気がかりだ。

2019.6.20 試写/ C

2019 年7 月6 日(土)岩波ホール、ほか全国順次公開
名古屋/ 7 月20 日(土)名演小劇場

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