さらば愛しきアウトロー/ the Old Man & the Gun

  • 2019.06.05 Wednesday
  • 20:22

JUGEMテーマ:試写会

 

さらば愛しきアウトロー/ the Old Man & the Gun

 



♯165


この邦題は、本作の内容とは異なる。では、なぜこう付けたのか?
主演のロバート・レッドフォードは、本作をもって俳優を引退するという。
彼にとって最初のヒット作といえば『明日に向かって撃て』だが、当時33 歳。
役は、西部開拓時代に実在した銀行強盗であった。
その後も数々のアウトロー役を演じ、最後となる本作でも銀行強盗になって登場する。
で、レッドフォードへの敬愛の念と惜別の思いを邦題は表わす。

本作での銀行強盗は、少年時代から収監されては、16 回もの脱獄を繰り返してきた筋金入りのアウトローだ。
時は、1980 年代初頭。奴は、74 歳。この2 年間に93 件の強盗を成功させている。
それも、誰一人も傷つけず素早くスマートに。
銀行に出向き銃を突きつけ「金を出せ!」などと下品な脅しは口にしない。
センスのいいスーツを着こなし、「融資の相談を…」などと言いながら銃をチラッと見せるだけ。
当然、警察に追われるが、被害者は「彼は、紳士だった」「礼儀正しかった」と証言。
担当刑事は、追いつつもいつしか奴の生き方に自分が重なり、共感すら覚えてしまう。

映像のしっとり感、柔らかさと相まって“人間味” の描き方がどこか懐かしい。
製作者側も奴が活躍した? 80 年代当時の映画づくりを意図して
撮影では、デジタル機器を用いずスーパー16 のフィルムや古いレンズをわざわざ選択。
空気感までも創造したその効果は、本作の魅力を醸している。

加えて、30 歳代の奴が脱獄する回想シーンでは
1966 年の作品『逃亡地帯』で若いレッドフォードが演じたシーンをそのまま編集した。
まだある。
本作の冒頭の字幕に「…ほぼ事実の物語である」という解説がなされるが
実は、『明日に向かって撃て』と同じ字幕の用い方だという。興味深いこだわりだ。

80 歳を過ぎたレッドフォードの持ち味を存分に引き出した、最後の最後まで小粋でお洒落な作品。
見逃したら、もう彼とスクリーンで会うことはできなくなる。

2019.5.31 試写/ S

2019 年7 月12 日(金)TOHO シネマズシャンテ、ほか全国公開
名古屋/伏見ミリオン座、ほか

 

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