コレット/COLETTE

  • 2019.04.19 Friday
  • 08:43

JUGEMテーマ:試写会

 

コレット/COLETTE

 

♯160

 

まことに身勝手な夫がいたものである。
有名な作家ではあるが、作品はむりやり妻に書かせ、自分の名で世に出す。
浪費癖を戒めることなく、借金生活を強いる。
さりとて妻は、さほど愚痴をこぼすことなく夫唱婦随を受け入れる。……当初は。

 

妻の名は、コレット。そう、20世紀初頭に多くのフランス人を魅了し、
現代フランス文学界においても傑出した存在の作家シドニー=ガブリエル・コレット、その人である。
田舎で生まれ育った彼女は、1893年、20歳で結婚しパリに移り住む。
華やかなパリでの生活や夫と出掛けるサロンの水はどうにも肌に合わず戸惑うものの、
持ち前の奔放さで、環境に馴染むまでにさほどの時間は必要なかった。が!
時の経過とともに、眼に余る夫の実態が見えてくる。

 

そうとはいえ、彼女の才能を見出したのも夫であることは違いない。
早い話、コレットは夫のゴーストライターとしてではあるが、小説家の道を歩き出したのである。
結婚して7年目、自伝的作品『学校のクロディーヌ』を執筆。もちろん夫の名で出版。これが、大ヒット。
夫は、クロディーヌ・シリーズとして次の作品を要求する。
締切日が近づくとコレットを部屋に閉じ込め外から鍵をかけてしまう。彼女は、ペンを持つのか?

 

誰とても、自分の才能は社会から認められたい。
クロディーヌ・シリーズは、自分の作品であるにも関わらず才能を認められない葛藤と
夫の身勝手に苦しめられる日々が始まる。

悩み苦しむ娘に、毋は言う。「あなたは、あなた。ありのままでいいのよ」
奔放で素直な性格のコレットは、勇気づけられ自分をとり戻す。

 

毋が娘に語りかけるシーンが2度あるが、こここそ本作の狙い所ではないか。
21世紀を生きる女性にアドバイスする優しくも心強いシーンで、見逃しては、否、聞き逃してはならない。

 

後半は、常識にとらわれず自らの歩むべき道を迷わず踏み出すコレットを描き出す。
結果、痛快にも離婚を選択。多様な才能を発揮する彼女は、輝きを増すばかりだ。

 

この映画、その後の彼女は、歴史が語る。
オードリー・ヘプバーンをスターにした立役者としても知られ
フランス女性で初めて国葬(1954年4月)されたコレット。彼女の人生に、拍手。

 

2019.4.12試写/C

2019年5月17日(金)TOHOシネマズシャンテ、ほか全国ロードショー 名古屋/伏見ミリオン座、ほか

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