バイス/VICE

  • 2019.03.06 Wednesday
  • 09:03

JUGEMテーマ:試写会

 

バイス/VICE

 



♯156


あろうことか、“ろくでなし”がアメリカ副大統領(バイス)になってしまった悲劇の物語だ。
奴の名は、ディック・チェイニー。
学生時代は、講義にはまともに出ず酔って度々トラブルを起こし、挙げ句に退学。
電気工になったが酒癖の悪さは相変わらずで、警察沙汰になる始末。
それでも副大統領になれるアメリカだ。彼にしてみれば喜劇かもしれない。

人生は、運命・偶然・選択で決まるという。
この三要素がどう機能したのか、奴は政界入りを選択し、
偶然出会った人物のおかげで共和党の要職に就けた。ジョージ・W・ブッシュの依頼で副大統領へ。
「副大統領は閑職であり、大統領の死を待つのが仕事」と揶揄されるくらい陰の薄いポストだが、
2001年9月11日、奴の運命を決定づけた同時多発テロが起きてしまった。

“ろくでなし”の運命がどうなろうと知ったことではないはずだが、
奴の選択が世界中の運命を悲劇に導いてしまったのだから無視はできない。
テロを主導したのは、イラクのフセインであり、大量の破壊兵器を隠し持っていると決めつけ、
ブッシュ大統領を差し置き、法をねじ曲げることも、国民への情報操作もすべて意のままに、
すべきでない戦争を他国に仕掛け、世界の運命を変えてしまった。その結果が、今日である。

歴史は、こうして築かれる、否、破壊されるものなのか。
それを目の当たりにする本作に、我が住む国の状況を考え合わせてしまった。
むろん副大統領などいないが、
理念なき人生の三要素だけで政治家になってしまったろくでなしがいるのではないか。
そして、それなりの権力を振るって悲劇の歴史へ我々を引きずり込んでいるのではないかと。
しかし、そうした政治家も有権者の選択でもって決まるわけで。

さておき、真実を徹底追求した本作は、政界の内幕を暴いた様子で、
背筋の通った見応えのある仕上がりに合点がいく。
制作者の気合いの程が充分に伝わってくるリアリティーあふれる作品だ。

2019.3.1試写/S

2019年4月5日(金)TOHOシネマズ日比谷、ほか全国公開
名古屋/伏見ミリオン座、ほか

 

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM