たちあがる女/Woman at War

  • 2019.02.27 Wednesday
  • 18:39

JUGEMテーマ:試写会

 

たちあがる女/Woman at War

 



♯154


そう、アイスランドという国を知っているだろうか。
北極圏に接しているここへも地球温暖化の影が確実に忍び寄っている。

環境活動家のハットラは、大量の電気を消費するアルミ精錬所が自然破壊の元凶として許せない。
で、アーチェリーの親分のような武器を構え、矢を射て工場への送電線を断ち切る。お見事!
それは犯罪。当然、追われる身に。監視のヘリコプターが現れる。
空からは丸見えの溶岩台地。隠れる場所は?逃げ切れるのか?

闘うハットラには、セミプロ合唱団の講師というおだやかな顔もある。
そんな彼女に、養子を迎える申請が受け入れられたという知らせが写真と共に届く。
母親となるハットラは、次代を生きる子どものためにも自然を護らねばならない。
アルミ精錬所との闘いに決着をつけようと、たちあがる。

本作の監督、主役はアイスランドの人である。ゆえにその国の価値観を知ることができる。
そう、ハットラの行為はテロ行為であるが、悪者扱いの気配はまるでない。
ドローンを撃ち落とす彼女は、堂々と描かれ勇ましい限りだ。
ちなみに、この国の産業は豊かではなく、アルミ精錬所をとるか自然保護をとるか重い選択を強いられる。
否、原発をとるか自然を護るかとも共通するわけで、全世界に普遍的な課題だが。

重い課題にハットラの闘いは過激化する。
送電線の鉄塔を倒し、精錬所の息の根を止めてしまう作戦に出る。監視の眼は厳しさを増す。
ハットラの胸には養子の写真が。

実は、本作には皮肉が満遍なくまぶされていて、それを見抜けるかどうかで評価が左右されるだろう。
絶対に表に顔を出すはずのない伴奏者が役者のように登場し、ハットラの心境を演奏する皮肉。
えん罪で二度も逮捕されてしまう自転車ツアーの青年……、
バスが水没しそうになるのに……、凍土に隠した写真が流れ出る……、
たちあがる女はふたり……、……。

アイスランドの人の気持に寄り添えば、ハットラの行為を応援してしまう。それでいいのだ。

2019.2.13試写/C

2019年3月9日(土)YEBISU GARDEN CINEMA、ほか全国順次ロードショー
名古屋/3月16日(土)名演小劇場
 

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