マイ・サンシャイン/KINGS

  • 2018.11.02 Friday
  • 18:02

JUGEMテーマ:試写会

 

マイ・サンシャイン/KINGS

 



♯144


アメリカに今もって残る病巣に焦点をあてた作品である。
とはいえ、問題の深刻さを訴求することなく、それでいて視点をそらしたりはしない。
ひとりの黒人女性の日常を取り上げ、争うことの愚かさ、無念さを巧みに表現。

1991年、LAサウスセントラルに暮らす、ミリー(現存)。
彼女は、貧しいながらも家族から見放された子どもたちを愛情豊かに育てている。
幼児から高校に通う、やんちゃな育ち盛りに手を焼きながらも明るく暮らす。
彼女にとって子どもたちは、マイ・サンシャインなのだ。
隣人の白人男性オビーは、日々の騒がしさにうんざり。だが、お隣さんを排除したりはしない。

そうした日常の最中、3月3日、黒人男性が白人警官たちに殴打される理不尽な事件が起きた。
被害者の名から「ロドニー・キング事件」として歴史に暗く残る。
さらに、2週間も経たないうちに、黒人少女が韓国の女性店主に万引きと間違えられて
背後から頭部を射抜かれてしまう。「ラターシャ・ハーリンズ射殺事件」だ。
その後の裁判で、警察官たちは無罪、女性店主には執行猶予付きの、非常に軽い
黒人差別といわざるを得ない判決が下された。

翌年4月、暴力の過剰行使で逮捕されていた警察官たちが無罪釈放されたことをきっかけに
ミリーの暮らす街で暴動が発生。
二人の黒人が犠牲になったことに、怒りが沸き上がる。
ミリーの子どもたちもテレビに映し出される映像に刺激され家を飛び出し暴徒化してしまう。
心配して後を追うが騒ぎに巻き込まれる、ミリー。挙げ句に手錠を掛けられて窮地に。

英題は、KINGSとあるが、「ロドニー・キング事件」の被害者の名、
そして、非暴力主義による公民権運動を指導したルーサー・キングの二人を表わす。
ここに制作者のメッセージが込められているように思う。
絶望でなく希望を、世界が抱える移民難民問題への対応を示唆し、
KINGSが遺してくれたものを普遍的な日常のために、今こそ再認識すべきではないか、と。
ただ声を荒げたり分断ではなく、観る者の意識に優しく働きかける本作で。
決して諦めないミリーのように。

2018.10.23試写/S

2018年12月15日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、ほか全国ロードショー
名古屋/センチュリーシネマ
 

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