日日是好日

  • 2018.09.18 Tuesday
  • 10:15

JUGEMテーマ:試写会

 

日日是好日

 


♯139

その経験は、人をどう変えるのか。
その人は、真面目で理屈っぽい20歳の大学生、典子。
この先の生き方が定まらず、そんな自分に嫌気を感じる日日。
誰もが感じるそんな年頃に、典子は何を経験し、どう向き合うのか。

彼女は乗り気でないままに、毋の勧める“お茶”を習うことになってしまった。
教室は、細い路地を通って奥まった所に佇む。
訪ねてすぐに茶室に通され、いきなり帛紗(ふくさ)の使い方を指導される次第で、
作品上も、作法、所作が細かく延々と紹介されるだけで物語がなく、観ていて少々戸惑う。
彼女も、戸惑った様子で「“お茶”って形式主義じゃないですか?」と理屈っぽさが表に出る。
対して「何でも頭で考えるからそう思うのねぇ」と笑う先生。

そうか、生き方を頭で考え求め、頭で答を出そうとするから迷ってしまうのかもしれない。
そうした“気づき”を得ることから物語は進む。

大学を卒業するも、希望の就職は叶わずアルバイトしつつ親元で暮らす典子。
“お茶”に限界を感じる日日。

作品上では、物語もさることながら、形式にこだわる“お茶”の知識が披瀝されるシーンが多く
四季に寄り添うことで忘れかけていた風情を感じとる気持ちの余裕、人への配慮、
自身の存在などを再認識するたいせつさを教えてくるていることに気づかされる。

このことはまた、限界を感じつつも、典子も“気づく”展開で
人生の挫折、たいせつな人との別れを“お茶”によって救われていることを理屈抜きで感じる彼女。
そして、先生の言葉。
「意味なんてわからなくてもいいの。“お茶”は形から先に整えておいて、後からこころを入れるものなのよ」と。
生きる意味を問う前に、日日を整えることで、こころが満ちるものという教えか。
確かにそうかもしれない。

習い始めて20年は過ぎただろうか、歳を重ね人生の経験も重ねた典子に、
先生は「そろそろ工夫というものをしなさい」とひと言を添える。“お茶”への工夫か?生き方の工夫か?
折々の含蓄のある言葉こそ本作の“ツボ”ではないだろうか。

閑かな物語である。深みを増す物語でもある。“お茶”を嗜む人生って、そういうものなのか。

2018.9.7試写/C

2018年10月13日(土)全国ロードショー
名古屋/ミッドランドスクエアシネマ、ほか

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