ヒトラーを欺いた黄色い星/DIE UNSICHTBAREN

  • 2018.07.27 Friday
  • 15:17

JUGEMテーマ:試写会

 

ヒトラーを欺いた黄色い星/DIE UNSICHTBAREN

 



♯134


ただ、ユダヤ人であるということだけで。
第二次世界大戦下、約600万人もがヒトラー率いるナチス軍によって虐殺された。

本作は、ベルリンにおいて終戦(1945年)まで生き抜いた4人のユダヤ人の証言をもとに
戦時をサスペンスフルにドラマ化したものである。当時、16歳から20歳の彼らはいかにして生き抜いたのか。

1943年6月、ゲッベルスは16万のユダヤ人をベルリンから一掃したと宣言。
つまり、彼ら全員をガス室送りにしたぞ、というわけだ。何のために?
実際は、7000人が市内に潜伏していた。そして、1500人が生き抜いた。
監督は、最も興味深い4人の生存策に焦点をあて、市民視点の戦争を描き出した。

ドイツ兵になりすました20歳、戦争未亡人を装う20歳、
髪をブロンドに染めて別人を名のる17歳。16歳は、ヒトラー青少年団の制服を着て身元を偽る。
街中では、ゲシュタボが執拗に身分証をチェックする。
脅えと緊張感あふれる毎日、それに加えて空腹、寒さ、孤独に耐えなければならない。
寝泊りする所も定まらず、精神状態は限界に達する。

観ていて、厳しい監視を逃れる4人と同じ緊張感が恐怖となって伝わってくる。

実は、ベルリン市民の多くは、ユダヤ人が助けを求めて飛び込んでくると直感的に手を差し延べたという。
彼らを匿うことは、自らの死にもつながりかねないことを解っていても、である。

4人の証言者は、権力者のごう慢と横暴を命をかけて体感した戦争の語り部である。
我が住む国にいても、一刻も早く同様のコンセプトでの作品の制作が必要だ。証言を聴きだせるうちに。
戦争を知らないおとなたちに、知っておくべきこととして、戦闘シーンに頼らない市民視点の作品。
これまでアニメ作品にあったことは知るが、本作の手法を用いれば訴求力が格段に強まるはず。

いかなる名目であれ、すべての戦争は市民に死の恐怖と極限の生活を強いる。
本作でも出てくるが、戦争を指揮する連中は戦時下でも旨いものを食べ笑い酒を酌み交わす。
父に聞いた話(父の証言)だが、太平洋戦争でも同様の連中は享楽をむさぼっていたという。

他国の過去の話ではない。実際の証言に基づくだけに、観ておくべき作品のひとつであろう。

2018.7.19試写/C

2018年7月28日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、ほか全国順次ロードショー
名古屋/8月11日(土)名演小劇場

 

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