返還交渉人 〜いつか、沖縄を取り戻す

  • 2018.06.22 Friday
  • 15:18

JUGEMテーマ:試写会

 

返還交渉人 〜いつか、沖縄を取り戻す

 



♯130


これは、何をさしおいても観たい作品であった。
以前観た二つのドキュメンタリー作品*が訴えた沖縄の人たちに対する差別と弾圧からの解放。
本土復帰に対する強い願い。
そういった事柄は、返還交渉にどう生かされたのかを本作で知ることができると思ったのだ。

2010年のこと。
沖縄返還における外務省の“密約問題”の調査により、
当時の外交資料のほぼすべてが公開された。そこから、対米交渉、対沖縄折衝の両面で
ひとりの外交官が歴史に残る役割を果たしたことがわかった。
交渉の最前線にいた外務官僚:千葉一夫、実在の人物である。

1952年4月、サンフランシスコ講和条約で日本から切り離され、アメリカの統治下におかれたままの沖縄。
千葉は、講和会議に参加していた上院議員にその理由を問いつめる。
答は「それは日本人が望んだことだ」と素っ気ない。交渉はそんな連中が相手である。

譲れぬ交渉のポイントは、3項目。
核兵器の撤去、核抜き本土並みということ。
沖縄基地から米軍機が出撃する際、日本の同意を得ること。
基地の30パーセント縮小。

外務省内でも一枚岩出はない。
駐米大使など「日本の安全のためには、アメリカが基地を自由に使える沖縄が必要だ」と言い切る始末。
「返してもらうためには、向こう様の言い分も加味しないと」と、言葉を重ねるだけ。
「返してもらうのではない。取り戻すのだ」
「いつになったらアメリカと対等にものが言える国になるのか」とやりきれない千葉。

たしかに、今日においても対等な交渉がなされていないようで、辺野古への基地移転に限らず、
米軍が起こす事件・事故の調査もままならない日本政府。

東奔西走、千葉の実直な交渉は沖縄の人たちにも受け入れられるも、困難を極める。
観ていて、ひとつ気になることが払拭されない。これはドラマである、ということだ。
史実を元にしているとはいえ脚色はある。
交渉内容も、千葉の頑張りにスポットは当たるが、具体的な展開はドキュメンタリーには及ばない。
視点を変えれば、書類の隠ぺいや廃棄を安易に行い、
国会で自己保身の発言をして国民をないがしろにしてしまういま時の官僚よりははるかにマシな外交官がいたとことを知ることにはなるのだが。

まだまだ、沖縄のこととを知らなければならないことが多いし、この作品も間違いなくその一助にはなった。

*『沖縄 うりずんの雨』2015年6月
『米軍が最も恐れた男 〜その名はカメジロー』2017年8月

2018.6.19試写/C

2018年6月30日(土)全国順次公開 名古屋/7月21日(土)名演小劇場

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