告白小説、その結末

  • 2018.05.28 Monday
  • 11:07

JUGEMテーマ:試写会

 

告白小説、その結末

 



♯128


本作は、友人を誘って観るのがいい。
観終えて互いにどのように捉えたのかを語り合うと「えっ、そんな風に…?」と、
自分と異なる興味深い感想が反って来るに違いない。
二人のヒロインが登場するのだが、エル(彼女を意味する代名詞)と名のる人物が何者なのか
捉え方によっては、いかようにも、というか、どうも判然としないのである。
エルの狙いも捉え方次第で、これぞ戦慄のミステリー。

もう一人のヒロイン、デルフィーヌは、
心を病んで自殺した毋との生活を著した作品がベストセラーとなった小説家である。
で、次作を期待されるも極度のスランプ状態でテーマも見つからず意欲がわかない。
ゆううつな気分のままでサイン会に臨むも、早々に打ち切りたい。
そんなデルフィーヌの前に、彼女の熱狂的なファンであるというエルが現れる。
エルは、優秀なゴーストライターであるというし、デルフィーヌは彼女といると妙に落ち着く。
デルフィーヌに対して献身的で本音で語り合えることから、二人の共同生活が始まる。

観ていて、ここまでは確かに二人が存在している、ように思えるのだが。

生活に慣れるとエルは、時折ヒステリックに豹変するし、行動も不可解。
当然、仲たがいが生じて別れてしまう。
ある時、デルフィーヌはアパートの階段から転げ落ちて脚にギプス、松葉杖の羽目に。
そこにまた、エルが居合わせて彼女に寄り添うことに。そして、二人は別荘に移り住むことにし、
デルフィーヌは、執筆活動に専念する。そのつもりであったが、ここでもエルの行動がおかしい。
むしろ怖くなる。デルフィーヌは、エルに殺されてしまうのではないかという気配がひしひしと。

これは、もうサスペンス。もしかすると、この時点のエルは、デルフィーヌの幻想ではないのか。

ポランスキー監督の思いのままに引き回されて、エルは実在するのか、
否、小説が書けず追い込まれたデルフィーヌの心理状態のエルなのか、よくわからない。
この点を一緒に観た友と語り、捉え方の違いを知るのは面白いだろう。白熱するはずだ。
現実とフィクションの境目を曖昧に描くことで観る者を惑わすように仕掛けてあるのだから。

とことん惑わされた、「その結末」はラストシーンですっきりするはず、否、しない。
だからこそ、友人を誘い、観た後で違う感想を比べ合い納得するしかない。

2018.5.23試写/C

2018年6月23日(土)公開 名古屋/伏見ミリオン座

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