サバービコン 仮面を被った街/SUBURBICON

  • 2018.04.18 Wednesday
  • 17:47

JUGEMテーマ:試写会

 

サバービコン 仮面を被った街/SUBURBICON

 



♯125


1950年代のニュータウンが舞台である。
街の名は、作品のタイトルでもある「サバービコン」。
あこがれの暮らしを実現するインフラも充実した、アメリカン・ドリームの街。
とうぜん、笑顔にあふれたた明るいファミリードラマが繰り広がられているはずであったが、
隣り合う家族に起きた二つの出来事は、今日まで続くアメリカの病巣をえぐり出し、
人間誰もが秘める醜さをさらけ出してしまった。

ひとつの出来事は、人種差別暴動だ。
「サバービコン」の白人コミュニティに、黒人一家が越して来た。
すると白人たちは、ただちに黒人排除の行動に出る。
これは、1950年代に起きた実際の暴動に基づくモチーフである。
どこかの大統領のように、高い壁で家を囲み、外から見えないようにしてしまう。
さらに騒音の嫌がらせだ。自分たちもうるさいだろうに、老いも若きも寄ってたかっての呆れた行動を続ける。
もうひとつは、そのお隣りに押込み強盗が侵入し殺人事件が発生。
その後も、犯人に毋を殺された少年の身近で、次々とひとが死んでいくではないか。
少年にしてみれば、大人たちは、みんな怪しく信じられない。父も、おばさんも。

二つの出来事には関連がなく異質であり、それが並行して描き出されるために違和感を覚える。
これが制作者の狙いであることは、ラストの二人の少年のキャッチボールが意味深く
実によく計算された巧みな構成に感心する。

味付けもいい。
いずれの出来事も暗く重く、ニュータウンとは真逆の夢を打ち砕く内容であるにも関わらず
全編にシニカルのスパイスが効き、オセロゲームのように優勢と劣勢がリズミカルに交差し滑稽で
それゆえに、人間の醜さ、愚かさ、自分ファーストの幼稚さ、情けなさが浮彫りにされるのだろう。
そうそう、ヒッチコックのスパイスも隠し味になっているに違いない。

余談になるが、50年代のアメ車が多彩に登場し旧車ファンにはたまらないだろう。
ファッションや家電製品も忠実に選択したとあって、これらも見逃せない。

さらに余談を。タイトルの「サバービコン」では、作品の内容をイメージできない。
そこで「ニュータウン・クライシス」を提案したいのだが、誰に向かって言えばいいのやら?

2018.4.12試写/C

2018年5月4日(金)TOHOシネマズ日比谷、他全国ロードショー 名古屋/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、他
 

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